客室乗務員の仕事は多岐にわたります。サービス要員としてだけでなく保安要員としても、常にお客様を第一に考えて業務に臨まなければなりません。
一緒に乗務する先輩クルー、上司、そしてお客様から厳しいお声をいただきながら、失敗から学ぶ日々を過ごしました。その中で、客室乗務員の仕事を通して学んだことを中心に、「客室乗務員になってよかった」と思えることをお話しします。
その1 世界を舞台に仕事ができる
ありきたりなことですが、客室乗務員になって一番よかったと思えることは、世界を舞台に仕事ができることです。
客室乗務員の仕事に就いたのは26歳の時でした。それから数年間、国内、海外のさまざまな都市を訪れることができ、異文化体験ができ、見聞を広めることができました。
客室乗務員の仕事に就く前と比べ、自分の世界が確実に広がりました。 思い立ったらすぐ、スーツケースに荷物を詰めて出かけることができるようになりました。世界が近く感じられるようになったのです。
20代のうちにこの経験ができたことは、その後の人生においてプラスになりました。
その2 限られた環境で最善を尽くす力を養える
機内は、お客様に一番近く、お客様のお声を直接いただくことができる場所です。 喜びや不満、怒りという感情をダイレクトに受けることによって、「今、ここでできる最善のことは何か」ということを常に考えるようになります。
年齢、国籍、利用目的が違うそれぞれのお客様のご要望を汲み取りながら対応するということは、簡単なことではありません。機内という限られた環境で、どんな状況下においても冷静に判断する力、「今、何を求められているか」を見極める洞察力と対応力を身につけることができました。
その3 知識と行動が伴う力を養える
機内で何かあった時、お客様が頼ることができるのは、客室乗務員だけです。そのため、いかなる状況においてもお客様を守れるように訓練を受けます。覚えることも多くとても厳しい訓練ですが、その知識は決して無駄にはなりません。
航空知識に加えて、 消化器、非常用酸素ボトルなどの使い方などの日常保安安全業務、AEDの使用方法や止血方法など救急看護、緊急事態が発生した時の処置など、客室乗務員の仕事をしていなければ学ぶ機会がなかったであろう広範囲の知識を身につけることができ、またその知識を最大限に発揮する力を養うことができました。
その4 世界に通じるマナーと立ち居振る舞いを学ぶことができる
客室乗務員の仕事は、質の高いサービスを提供できるようさまざまな基礎知識を学びます。世界に通じるマナー・立ち居振る舞いを身につけることで、サービスの基礎を学ぶことができます。
また、お体が不自由な方のケアを通して、車椅子の操作方法、ご案内時の立ち位置などを学ぶ実習も受けます。
どんな時でも、どんな場所でも、そんな相手に対しても、臆することなく対応できる力をつけることができました。
まとめ
いかがでしたか。 客客室乗務員になってよかったことを4つご紹介しました。
特に、年齢、国籍の違う多くのお客様との出会い、さまざまな状況下で思考錯誤を繰り返すことから学んだことは、日常生活においても生かされる、自分自身の糧になる素晴らしい経験だったと感じます。