客室乗務員になるまでにはいくつもの難関を突破しなければなりません。どんな人材を求めているのか、それは航空会社によって異なります。それぞれの航空会社にはカラーがあり、そのカラーに合う人材を求めています。しかし、そのカラーに染まろうと努力するあまり、皆同じような印象しか残せていないと感じます。

実際に客室乗務員として働いていて思ったことは、面接に来る受験生が一番客室乗務員らしいと言うことです。それは、受験生が持つ客室乗務員のイメージが皆同じようなものになってしまっているため、髪型、服装、メイク、発言に至るまで同じになってしまっているのです。

しかし、実際は、様々な個性持った人が選ばれています。それぞれの持つ強みが違う、その方が幅広いサービスに対応でき、奥行きのあるおもてなしができるからです。そのためには、「自分らしさ」が大切です。「自分らしさ」を発揮して面接官の印象に残るにはどうすればいいのか、幾つかのポイントをまとめました。

1:第一印象

第一印象は一瞬で決まってしまいます。そして、やり直しがききません。客室乗務員はフロントラインでお客様と接する会社の顔です。そのため、会社のイメージを背負って業務に臨まなくてはなりません。

面接官は、入室した際の受験生の表情、動作、雰囲気をしっかりと見ています。そして、瞬時に「制服が似合うかどうか」を見極めます。髪型もシニヨンである必要はありません。その方が、素の魅力がわかるからです。

自分に似合う色の洋服、髪型、健康的に見えるメイク、明るい表情と心からの笑顔。「この人と一緒に働きたいな。」そう思ってもらえるように、第一印象を磨きましょう。

2:自己紹介

面接で最も重要なこと、それはまず自分を知ってもらうこと。1分や2分という与えられた時間内に、短い文章で簡潔に述べることが重要です。

面接官は何百人という受験生の自己紹介を聞いています。その中で、印象に残るようにするためには、具体的にイメージできる話をひとつ入れると効果的です。

3:コミュニケーションスキル

客室乗務員にとってコミュニケーションスキルは最も重要な能力のひとつです。以前、「声をかけやすい雰囲気作り」という記事にも書きましたが、限られた時間と機内という空間で、初めてお会いするお客様のご要望を汲み取るには、声をかけてもらいやすい雰囲気が重要です。また、初めて会うクルーと一緒にフライトすることも多いため、どんな人とも苦手意識なくコミュニケーションをとらなくてはなりません。

それは初対面の面接官にとっても同じこと。 「お客様にとって声をかけやすい人かどうか。」「 安心して任せられる人がどうか。」それはすべて面接官とのコミュニケーション次第です。緊張してしまうかもしれませんが、面接官との距離が縮まるような、自分らしさを出した話をしてみましょう。その方が、話がはずむと思いませんか?

4:臨機応変な対応

客室乗務員の仕事をしているといろいろなことが起こります。悪天候での遅延、体調を崩されたお客様の対応、クレームを頂戴することも多々あります。機内という限られた空間では、マニュアル通りの対応では解決できない問題に直面することもあります。

どんな状況においても、冷静さを保ち臨機応変な対応ができるかどうかは重要なポイントです。予想をしていなかった質問をされた場合でも、焦らず対応するようにしましょう。とっさの対応力と毅然とした態度は、印象に残ります。

まとめ

客室乗務員の面接に来る受験生の多くは、シニヨンをしてくることが多いです。きっと「客室乗務員らしい」からだと思います。しかし、シニヨンだとその人の素の魅力が掴みにくいという話をある面接官から聞いたことがあります。

身だしなみという意味で、髪型やメイクは重要です。しかし、面接官の印象に残るようにするためには、もっと「自分らしさ」を出していいのです。無理をするよりも、自分らしく、堂々と、面接を楽しみましょう。そして、今日この面接の場に呼んでもらった感謝を伝えましょう。そういう自然な態度を面接官は求めているのです。

最後に、一番大切なのは「自分がお客様だったらどうか」です。どんな雰囲気の人だったら話しかけやすいですか。どんな人だったらまた会いたいと思いますか。その答えがわかると、面接に臨みやすくなりますよ。

 

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