客室乗務員(CA)の勤務体系は、所属する航空会社の担当するフライトによって決まるように、グランドスタッフも飛行機の発着時間に合わせて出勤時間が変動します。業務開始時間は所属する航空会社や担当業務により異なってきます。
グランドスタッフの勤務時間
グランドスタッフの勤務時間は、何らかのイレギュラーが起きない限り一日約7.5時間です。そして基本的に残業はありません。
飛行機は早朝から夜遅くまで、空港によっては24時間絶えず離発着しているので、グランドスタッフの勤務体系は必然的にシフト制になります。早番は早朝出勤、遅番は夜遅くまで勤務という場合がほとんどです。場合によっては遅番で10時に帰宅したのに、翌日は早番で5時半出社ということもあります。
スタッフは早番と遅番と休みを不規則に繰り返しながら旅客機の業務に従事します。この不規則な生活に慣れることがグランドスタッフの第一関門とも言えます。
グランドスタッフの主な仕事
グランドスタッフが日々携わる主な仕事は、ブリーフィング、カウンター業務(搭乗手続きや発券、出発ゲート業務など)、到着便業務(到着ゲート業務やバゲージクレーム業務)、翌日の準備などです。
ブリーフィングは、フライトに関わる天候や利用客の予約率、注意事項などの情報を共有する打ち合わせです。短時間で済まされますので、仕事に慣れるまでは注意事項などを漏らさずメモをとるといいでしょう。カウンターは早番がオープンし、遅番がクローズします。カウンター業務の合間に翌日の準備をすることもあります。
グランドスタッフは接客をしながらも同時に飛行機が安全に運航できるための業務にも追われていますので、勤務時間はいつも慌ただしく過ぎてしまいます。
グランドスタッフの勤務体系(早番と遅番)
勤務する空港や航空会社、担当する業務によって勤務開始時間は変動しますが、勤務体系は早番と遅番があるのが一般的です。例えば、早番の時は勤務時間が6:00~14:30、遅番の時は13:00~21:00、のように、早番と遅番が重なる時間があるよう設定されます。
また、担当する業務によっても出勤時間が変わってきます。バゲージクレーム業務が主であるスタッフは到着便に合わせて出勤することが多くあります。
早番の日はどんなに朝が早くとも時間に余裕を持って出社します。遅刻してしまうと他のスタッフに迷惑をかけてしまうかもしれません。「私がいなければ、飛行機は飛べない」というくらいの責任感が必要です。早番も遅番も、業務開始前までには制服に着替えて身だしなみを整え、準備万端でなければいけません。接客業である以上、身だしなみは大切です。
早番が業務を終える前に遅番が出勤するので、引き継ぎ事項があれば遅番がそれらを引き継ぎます。早朝から夜遅くまで続く業務を、早番から遅番、遅番から翌日の早番へとうまくリレーすることで業務をこなしていきます。
グランドスタッフの勤務時間(早番)
- 出勤
- 6:00 業務開始
- 6:15 ブリーフィング
- 7:00 カウンターオープン ※カウンター業務と到着便業務
- 11:00 食事&休憩
- 12:00 ブリーフィング ※引き継ぎ事項があれば遅番スタッフに伝える
- 12:30 カウンター業務と翌日の準備
- 14:30 業務終了
- 退勤
グランドスタッフの勤務時間(遅番)
- 出勤
- 13:00 業務開始
- 13:15 ブリーフィング ※早番からの引き継ぎ事項などを確認
- 14:00 カウンター業務と到着便業務
- 17:00 休憩
- 18:00 カウンターとゲート業務 ※カウンタークローズ
- 21:30 業務終了
- 退勤
勤務中の食事と休憩
何事もなければ一時間ほど休憩できる時間が取れますが、忙しい時などは短時間ですぐに仕事に戻らないといけない場合もあります。
時間をずらして数名ずつ休憩に入りますので、仲の良い同僚と休憩が取れる時もあります。お弁当を持参してオフィスで食べてもいいですし、空港内のレストランなどで食事をとることもできます。
グランドスタッフの仕事後
業務が終わったら私服に着替えて帰宅します。
早番であればそのまま街に出てお買い物やカフェ巡りなどをゆっくり楽しめます。遅番であれば午前中に用事を済ませてから出勤することもできます。勤務地によっては遅番退勤時にはほとんどのお店が閉まっている場合もありますので、用事があるならばなるべく出勤前に済ませたいところです。
早番でも遅番でも帰宅後はリラックスし、湯船に浸かるなどして一日の疲れを癒します。長時間ヒールを履いた足も疲れで辛くならないようにケアします。
グランドスタッフの一日はあっという間
仕事に慣れるまでは日々の業務をこなすだけでも大変です。予想もしてなかったことが起きるのも珍しくありません。
グランドスタッフの一日は時間に追われてあっという間に終わります。仕事のために落ち込んだとしても、飛行機は飛び立ち、またやって来ます。
今日の疲れは今日中にリセットし、また新しい明日へと気持ちを切り変えるくらいの強い精神力が必要です。その強い精神力は「仕事の慣れ」によってもたらされますので、とにかく「慣れる」ことに重点を置けば自然と精神力も強くなり、一日一日をさらに有意義に過ごせるようになります。